24.大学同窓会

新田 渉世

 母校である横浜国立大学教育学部の同窓会「友松会」の平成18年度定期総会に出席した。「友松会」は、明治20年に発足した伝統ある同窓会で、教職員を中心として全国に2万数千名が在籍する大組織である。
 あまりボクシングと関係ない話題と思われるかも知れないが、しばしお付き合いをいただきたい。
 
 卒業以来、15年以上その存在すら知らずに過ごして来てしまったのだが、他大学出身の知人から、「卒業した大学の同窓会には顔を出した方がいいですよ。社会で活躍しているいろいろな人と出会うことも出来ます」というアドバイスを受け、ジムの発展の為にも「友松会」に飛び込んでみることにしたのだ。
 まずはホームページを検索し、事務局へ入会の申請をした。程なく受理され、会報などが送られて来た。私は「とにかく顔を出さなくては」と、スケジュールの都合をつけて今回の定期総会に出席することにしたのである。
 
 行ってみると年配の先輩方ばかりが約200名―。知っている顔はもちろん一人もいなかった。受付の方に自分の所属支部を尋ねて、そのメンバーを紹介していただいた。有難いことに、私のような年代の人間に対し、会の存続、発展を願う先輩方は「ウェルカム」の様子だった。
 諸々の報告事項や表彰式、元NHKアナウンサー吉川精一氏(紅白歌合戦やNHKのど自慢の司会者)の特別講演会、そして懇親会と、盛り沢山の構成で、初めての参加ではあったが結構楽しむことが出来た。やはり我が母校という感慨がこみ上げてきた。
 
 同じテーブルに座った初対面の先輩方と団欒していると、ひとり、ふたりと、別のテーブルから私のそばに来て話しかけて来た。
 「新田さん、チャンピオン、覚えていますか。タイトル獲った時に事務局長をしていた者です」今から10年前、私がタイトルを獲得して地元で記念パーティが催された際、この「友松会」からお祝儀を送っていただいたことがあったのだ。
 人間“やってもらった事”というのはとかく忘れがちである。感慨深く、母校の同窓会を楽しんでいたのだが、「友松会」にはかつてそんなご恩を受けたことがあったのだ。更に、当時の同窓会長さんにもお会いすることが出来た。
 その後、接点もなく今日まで来てしまったが、こうしてその時ご厚誼にあずかった方々とお会い出来たことに、私は更に感動さえ覚えた。

 新卒の代表が何名かステージの上で紹介された後、現職の事務局長さんから「是非、新田さんのことも紹介させて下さい」というお言葉をいただき、私はステージの上で200名の先輩方に向かって挨拶をさせていただいた。 
 「横浜国立大学に在学、卒業させていただいたお陰で、“異色ボクサー”として注目されてきました。私は教職の道へは進みませんでしたが、現在はボクシングジムを開設し、地域の青少年育成に尽力させていただいております。今後、少しでも皆様のお役に立てるよう努めてゆきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します!」
 
 心からの言葉だった。私は、ボクシングジムという“街角の学校”で、教職についたと思っている。

 
 ▼新田ボクシングジム
神奈川県川崎市多摩区登戸2832 小田急線向ケ丘遊園駅徒歩5分
TEL 044-932-4639
http://www.nittagym.com/

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